終わりの鐘は鳴っていた

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あれから、見事に三か月・・・彰弥くんからまったくと言っていいほど、連絡は来なかった。 自分から連絡することはしなかった。きっと忙しいだろうに・・・。 「蓮華はそれでいいの?人生つまんないって顔してるけど」 リビングで肘をテーブルにつけ、だらしなくテレビを見ている私に、椿が溜め息混じりで言ってきた。 ああ、そんな顔しているように見えるのか、私。 「・・・そんなことないけど。何も連絡がないと、逆にホッとしてきてしまった。良くない情報が入ってきたら悲しいからさ」 「なによ、それ。普通寂しくて毎日泣いて泣いて泣きつくすばかりだと思うけど」 泣いて泣いて・・・泣きつくすか・・・。 ダルそうに視線を椿に向けた。そんな私が気に障ったのか、椿はかなり不愛想な表情をする。 「もう!もっとシャキッとしてよ! 目が死んでる!」 「うーん・・・」 「蓮華の生活のサイクル見てたら、何がしたいのって思うのよね。仕事から帰ってきたら、ごろごろしながらテレビを見る。で、寝る。それからまた仕事。それの繰り返しじゃない?」 「うーん」 そんなこと言われても、それ以外することがないのに。 それにテレビばかり見てるわけじゃないよ!漫画も読んで、ゲームもしてます!!って言ったら、また怒られそうだから言わないけど。 「なんか、やりたいこと探してみたら?」 「やりたいことって?」 「・・・・・・・・・」 椿に聞き返すと黙りこくってしまった。 「このままじゃ、本当にその毎日の繰り返しで人生終わっちゃうわよ?」 「・・・うーん」 椿は私の気怠い返事に大きく溜め息を吐き、リビングを出ていこうとした。 その椿の背中を見て、すぐにテレビに視線を戻すと、 「もう彰弥くんのことはいいの?」 と聞こえた。 私はその問いかけに、数秒テレビを見つめて・・・ 「うん」 と返事をしていた。  
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