終わりの鐘は鳴っていた

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私の声は、思ったよりも大きくて・・・自分でも驚いた。 「そう。残念ね」 椿のその言葉が、しっかり私の胸に突き刺さって。心臓が潰されるくらい苦しかった。 椿がリビングを出て行った後も、テレビを見続けることに決めた。 ただ、内容は頭の中にまったく入ってこない。テレビの画面をただジーッと見てるだけで精一杯だった。 彰弥くんのこと、もういい? そんなわけない。そんなわけないよ。 毎日不安で心配で、辛い。なんでもいい。なんでもいいから、連絡してほしいって思ってるよ。 テレビ見てたって、漫画読んでたって、ゲームしてたって・・・必ず彰弥くんのこと考えちゃうよ。 でも、誰かにそんなこと話したら・・・もっと辛くなっちゃうから。 平気な顔してないと、もっと寂しくなって・・・もっと会いたくなって・・・もっともっと彰弥くんを探しちゃうから・・・。 だから、何も言えない。 なにしてたって考えちゃうから、口に出したくないんだ。 もしこのまま、ずっと連絡が来なかったら・・・ひたすら同じことの繰り返しの毎日を過ごしていくんだろう。 彰弥くんがいないと、つまらない。 きっと、彰弥くんも同じこと思ってくれてる。 私に向かって言ってくれた数々の言葉を思い出す。 私といたら楽しいって、私が居たらそれでいいって言ってくれた。 だから、たとえ同じ毎日の繰り返しだとしても、連絡を待ち続けるよ。 ずっと想ってる。  
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