終わりの鐘は鳴っていた

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秋のちょうど過ごしやすい季節には 『彰弥くーん、外で読書はいいけど読んでない私は何をしたらいい?』 良い天気だから、公園で読書をすることになったけど、私はまさかの教科書を持ってきてしまい、途中で断念。なんで教科書持ってたんだろうか・・・。 『俺が何冊か持ってきた本読んでいいですよ』 彰弥くんが本から目を離さずに、私に2冊本を渡してくれた。 『ありがとう!』 そうお礼を言って、読み始めてから数十分。 意識がとんだ。 目を開けると・・・来たときには青空だった空も、オレンジ色になっていた。 『・・・はっ!?』 『起きました?』 すぐ横から微かに笑った声が聞こえ、顔をそちらに向けると、彰弥くんが微笑んでいた。 どうやら私は、彼に寄り掛かってたみたいだ。 『うわっ!ごめんね!』 慌てて避けようとしたけど 『いいんですよ。まだ寄り掛かってください』 笑って、引き寄せられた。 少し肌寒かった夕方も、その体温だけで温かかった。
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