*+。会いたい。+*

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「人気のないオカマさんはイヤだああぁ!!せめて、人気なオカマさんにしてえぇ!!」 頭をブンブンと振ると、ガシッと頭を掴まれた。 上を見ると、望月さんがイライラした表情をしていらっしゃる。 か、片手で私の頭をガッシリと掴んでいる。 「余計気持ち悪くなるぞ、やめろ」 「は、はい…」 望月さんの恐ろしい表情に怯え、私は小さく返事をして頷いた。 「よし」 納得してくれたのか、望月さんは無表情に戻り、私の頭を解放してくれた。 何だかんだ言って、私が具合悪くなるのを阻止してくれたんだ…。 良い人……。 「あんた、本当にそっくり。そうやって自分の頭の中で勝手に解釈して、変な妄想で頭埋め尽くされるタイプでしょ?」 「…あ、当たってる!よく分かりましたね!」 そうそう!妄想はお任せあれってくらいするよ。 それくらいしか特技がないからね、あはは。 「…やっぱりな。系統が似てると、することも似てるわけね」 「え?」 どういうことだ? 「嘔吐、ソイツもしたの。だけど、吐いた場所がどこだと思う?」 「望月さんの頭の上?」 「誰もそんなマニアックな回答期待してねーよ」 「?」 じゃあ、どこに? 「俺の目の前で吐き出しやがった。おかげで俺の服は……すげーことに」 望月さんは思い出したのか、プッと噴き出すように笑った。 「怒らなかったんですか?」 「んなわけねーだろ。ブチギレたよ。ただ、ソイツすげー慌てふためいててさ、おどおどしすぎて…なんかキレる気力なくなった」 ……この人、こんな顔もするんだ。 こんな風に…笑えるんだ。  
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