*+。会いたい。+*

41/44
前へ
/430ページ
次へ
望月さんって、その人のこと…どう思ってるんだろ…? 「望月さんって、好きな人はいないんですか?」 もしかしたら、その人のこと好きなんじゃないかな? 望月さんが動揺する姿見てみたいかも。 『え?あ?え?い、いねーし!べべべ、別にアイツのことなんか好きじゃないんだからな!』なんて、言って欲しい。 でも、私の妄想は案の定ハズれてしまい…―。 「いないかな。女に困らねー質だけど、最近そういう遊びしてないし。今日はたまたま数合わせに来ただけ」 「へー、そうですか」 私が期待してた返答とは、まったく違うものが返ってきて、私はガックリ肩を落とした。 「…最近だと、ソイツの面倒見てるだけで手いっぱいだな。妹みたいなもんだ」 なんだ、ラブな方じゃないのか。 自分に良い話がないから、人の恋愛話を聞いて、癒やされようと思ったのに。 「そういうあんたは、お付き合い相手とどうなの?」 「…えーと、彼は今外国に行ってまして、夢の為に精一杯頑張ってます」 「ゲームの話じゃないよな?」 「私は、そんな話の乙女ゲーム持ってません!持ってるのは、アイドルものと幼なじみものです!」 「いらねーよ!そんなカミングアウト!知りたくもないし」 最近はゲームの世界に恋してるけど、ちゃんと三次元にだって彼氏はいるんだ! 私の頭の中の人物じゃないんだ! 今まで出会った人に散々リアルの話なのか疑われたため、私は熱心に説明した。 「…高校3年の時に彼は、イギリスへ行ってしまって…。最近はメールもろくに出来ないし、電話は…女のアナウンサーみたいな人の声が聞こえるんです」 彰弥くんの声が聞きたいだけなのになぁ…。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加