友達だから

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2人でそのまま廊下の床を見つめていると、佐山が神妙な顔で聞いてきた。 「ねえ、二階堂さんに聞いてみない?」 俺の頭の中が読めるのか!? って思うくらい同じことを考えていて、バッと佐山の顔を見つめた。 「あ、その……早乙女くんがあまり彼女のことよく思っていないのは分かるわ。だけど、霧山くんが元気ないのは嫌だし、もしかしたら二階堂さんと何かあったとかかもしれないし……」 俺の反応が嫌そうに見えたのか、佐山は慌てて言葉を付け足した。 「俺もそう思ってた。佐山も同じこと考えてたのかって驚いただけだから、そんな慌てなくていい」 そう言うと、佐山は「良かった」と小さく息を漏らした。 「とりあえず、メール送ってみてくれ」 メールなら、どんなに忙しくても空いた時間に返事できるだろう。 「え?私が連絡するの?」 佐山が携帯を取り出しながらも驚いた様に聞くから、「当たり前だろ」と返した。なんで俺があいつに連絡しなくちゃいけないんだ。無理だ、そんなの手が拒絶反応起こす。 「分かったわ」 佐山の言葉に満足して頷き、とりあえず彰弥が早く元気になるように願った。
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