*+。会いたい。+*

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「女のアナウンサー?」 望月さんが小首を傾げて問いかけるから、私はブンッと頭を縦に振った。 「そうなんです!電話したら機械的な女の人の声が聞こえて…こちらの電話番号は着信を拒否がどうのとか…」 「それ思いっきり着拒されてんじゃん」 「…うっ」 由衣にもこの前言われて、さすがに2人目に言われたら…胸にグサッと何かが突き刺さる感覚だ。 …着信拒否……。私、避けられてるのかな…? 避けられてるというか、嫌われちゃった…? 好きだったら、普通着拒なんてしないよね。 そう考えると気持ちが重くなり、俯くと…望月さんが言い辛そうに声を出した。 「…んん、すげー言い辛いけど…あんたとその人…もう終わっちゃうんじゃない?」 「…ち、違う! 終わりません!だって、約束したんです!お互い離れてる時は忘れるけど、また会ったら笑顔で会おうね!って。 その時間を大切にしようね!って。 だから…!私達はちゃんとまだ繋がってます…!」 「あ…そう…」 望月さんに向かって言った言葉は、本当は自分に言い聞かせていた言葉だった。 だって、まだ大丈夫。私達は繋がってる。離れていたってお互い心は繋がってる……そう思わないと暗い気持ちに押しつぶされそうになる。 「…あんたのその言葉、アイツにも聞かせてやりたいよ」 フフッと笑う望月さんに首を傾げた。 アイツって…? 「……?」 「あんたみたいにキチッと自分の想いが固まってたら、アイツも少しは自分に自信持てるんだろうね」 な、何を言ってるんだ。誰のこと…? 私が終始望月さんの言葉に首を傾げていると、望月さんがチャッと携帯を取り出した。 「…アドレス」 「え?」 「アドレス交換しよ」 ……んんん?  
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