*+。再会と頭痛。+*

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――蓮華、起きなさい! んあ?お母さんの声が聞こえる…。 ――今何時だと思ってるの!?もう遅刻確定しちゃうわよ! 分かってるよ…。 今……起きるから…。 起きるから…ね…。 「ん…んん…」 目蓋を開くと、クリーム色の天井が真っ先に見えた。 あれ…?私、ベッドに寝てる…。 もしかして…さっき階段から落ちて…それで……それから……それから…覚えてない……。 でも、ここはもしかして…。 変わった匂いが鼻を擽る。 これは……病院の独特な匂いに似てる気がする…。 …間違いない。病院だ。 「あ!蓮華ー!!良かったぁ…!」 「…あらぁ、蓮華起きたのね…!良かったわぁ!」 横から、明るい声が聞こえ、そちらの方を向くと、椿とお母さんが並んで座っていた。 「…お母さん…椿……」 2人を見ると、目の下が窪んでいる。 相当泣かせてしまったんだろうか…。 「…もう、あんたは危なっかしいわね…。ひやひやしたじゃない…」 お母さんが涙ぐみながら、言葉を吐いた。 お母さんも…心配してくれたんだ…。 以前のお母さんは、私の心配なんか一切してくれなくて…椿ばっかりだった。 でも、今は…私も心配してくれるんだ……。 「本当よ…。でも…、意識があって…良かった…っ」 椿が何かを押し殺すかのように、言葉を途切れ途切れ零した。 目には、涙が浮かんでいる。 「……ごめんね。考え事しながら歩いてたら、うっかり階段から落ちちゃって…」 2人の心配を余所に、我ながら馬鹿げた理由だと思った…。けど、本当のことだから仕方ない。  
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