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「…椿、どこ行っちゃったんだろう。もしかして、現金か何かを持ってきてくれるのかな…」
うわぁー!なんか実際にお金が自分の手元に入ると思うとワクワクしてきた!
クリスピタヌキとアーモンドキツネのコンビでヌイグルミ買っちゃおうかな!
ワクワクしながら、椿が大金を持って入ってくるのを待っていると、遠慮がちなノック音が聞こえた。
コンコン…と落ち着いてるノック音に、私はお医者さんか看護士さんかと思い、「はい、どうぞ」と声を出した。
ガチャ…―
「れーんげ!お見舞いに来たよー!」
明るい茶髪に、愛嬌のある笑顔がドアから覗かせる。
「ハルちゃん!」
「階段から落ちたって聞いたけど、思ったより大丈夫そうだね!良かったぁ!」
ふんわり笑うハルちゃんが、中に入ってきてニコニコと笑っている。
「…あたしもいるよん!」
「葉子!」
高校生の頃から綺麗な顔は変わらない葉子が部屋に入ってきた。
「うわぁ、2人共来てくれたんだー!久しぶりだねぇ」
嬉しいなぁ!
ハルちゃんも葉子も変わらない。
昔に戻った感じだ。
「へへっ、まだ来るよー。蓮華に会いたくて早く来ちゃったけどねっ」
ハルちゃんが頬をポリポリと掻いて笑う。
「ふふ!あたしもアンタの顔見たくて先に来ちゃった。マイダーリンを置いてきちゃったわ」
「え!?マイダーリン!?葉子、彼氏出来たの?」
「うんっ!すんごいイケメンよ!もう来るわ」
知らない間に葉子に彼氏が出来ていたんだ。そりゃそうか。
葉子可愛いもんね。
それよりも、2人とも…そんなに私に会いたかったんだね…。
うぅ…涙腺がゆるんできたかも…。
「わ、私も…2人に会いたかったよおぉー!!!」
2人に抱き付こうと、両手を広げた瞬間、バンッと大きな音が聞こえ、視線がそっちにいった。
見ると、
「侑弥くん…!」
息を切らしている侑弥くんがいた。
「マイダーリン!」
え?
えええぇぇぇ!!!?
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