*+。再会と頭痛。+*

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「ゆ、侑弥くんだよ……?」 「そーよ!」 葉子が満面の笑みで侑弥くんに近寄った。 う、嘘でしょ…? 嘘だよね………。だって、侑弥くんと葉子が…? そんな……信じられない…。 いや、信じたくない……。 「…う、嘘だよね?」 侑弥くんを見て聞くと、「はあ?何が?」と侑弥くんに言われてしまった。 嘘じゃ……ないんだ……。 「えっへへん!どうよ、蓮華!」 葉子が可愛らしく片手を上げながらピースしている。 「…………」 それなのに…私は、友達に『おめでとう』や『良かったね』の一言も言ってあげれない。 「…蓮華?」 ハルちゃんが不思議そうに言うのが聞こえ、ハッとした。 「よ、よか…った…ねぇ…」 上手く言葉が出て来ないけど、とりあえず『良かったね』は言えた。 「お前、久しぶりに会ったわりに元気なくね?階段から落ちて、どこか悪くしたんじゃねぇか?」 侑弥くんが、私の複雑な気持ちも知らないで、私に近寄ってきた。 「…べ、別に…どこも悪くないよ。ちょっと頭痛いのと…怪我したところが若干ズキズキするだけ…」 ハハッと笑って誤魔化してみたけど……無理だ……。 なんか、すごく胸が……痛い…。 「悪くしてんじゃねぇか! ったく。最近連絡してこねーから心配してたんだ。 俺から連絡したら、お前は返事まったくしねーしよ。 ちょっとは、こっちのことも考えろ、バカ。ばかばーか」 侑弥くんが勝手に丸椅子に座りながら、グチグチと何か文句を言っている。 ぐうぅ…!! こっちだって言ってやる! 「別に私なんか居なくても、侑弥くんには葉子がいるんでしょ!だったら、いいじゃん!」 胸がまた痛くなるのを感じたけど…言ってやった…!!  
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