*+。再会と頭痛。+*

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「…わ、わぁ!久しぶりだね」 久しぶりに見た彰弥くんは、ちょっと痩せたように見える。 最後に会ったのは、私が高校を卒業した後だ。 「蓮華、怪我をしたと聞きましたが大丈夫ですか?」 彰弥くんがツカツカと歩いてきて、私の目の前に立った。 美青年が3人、可愛い女の子が1人…どういう逆ハー状態なんだ、これは。 「大丈夫だよ。ちょっと考え事してたら、階段から落ちちゃっただけ」 笑って言うと、彰弥くんは若干ホッと安心したような顔をする。 「良かったです。無事で」 「あはは、ありがとう」 こんな、みんなに心配されるなんて…嬉しいなぁ。 「知らせたら、彰弥すげー焦って来たんだよな」 にひひっ、と笑う侑弥くん。 「それは侑弥くんもでしょー?すごい焦ってたじゃない」 葉子が腕を組みながら、にんまりと笑って侑弥くんを見ている。 「う、うるせー!言うな!」 わわわ、侑弥くんの顔真っ赤だ…。 本当に心配して来てくれたんだ…。 顔、ニヤケてないかな…私。 大丈夫かな…? 「僕が一番焦ってきたんだよっ!ここに入るのも一番だったでしょ!?」 ハルちゃんが両手をギュッと握りながら言ってくれるものだから、可愛くて…噴き出してしまった。 「あははっ」 「な、なんで笑うの!?ひどいよ蓮華!」 「ごめん、可愛くて」 「可愛い!?可愛いのは、いつものことだよ」 「少しは否定しろよ!」 ハルちゃんがフフンと笑ってみせると、侑弥くんがつっこんだ。 この2人のやり取りも可笑しい。 「…なんてね。僕、そんなに自分に自信ないもん。冗談だよ。一番可愛いのは、蓮華だもんねっ。ね?」 「…え…いや…」 ハルちゃんがいきなり私に話を振ってきた。 「それこそどんな冗談だ」 「ちょっと!ひどいよ侑弥くん!」 私が怒ると、侑弥くんは「うそうそ!そんな怒るなって!」と笑った。 こんな何気ない会話が一番好きかもしれない。  
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