*+。再会と頭痛。+*

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2人っきりの病室は一瞬沈黙が過ぎったけど、居たたまれない私は何か言葉を出そうと口を開いた。 「彰弥くん…!久しぶり!」 って、さっきと同じこと言っちゃったよー!! 「蓮華…? 何だか、雰囲気が変わりました?」 彰弥くんが私の顔を覗き込むように見つめてくる。 そ、そんなに見つめられると照れるんですが…。 「へへっ、この前階段から落ちちゃって」 「いえ、そういうのとは…また違う気がするんですが」 ジッと彰弥くんに見つめられると、何だかほっぺが熱くなってきた。 さすがの私でも、こんなイケメンに見られたら鼻血が出るよ。 「あ!そういえば、なんで急に日本に戻ってきたの?長期休暇とか?」 私がそう聞くと、彰弥くんは一瞬驚いたような顔をした。 「蓮華が、病院に運ばれたって聞いたからですよ」 彰弥くんは困ったように笑って、私に手を伸ばしてきた。 そっ……と、頬に彰弥くんの手が触れる。 冷たい……。 でも、なんで…? なんでそんなことで戻ってきたの…? 私、倒れたの…昨日だよね?連絡受けて、すぐにイギリスから日本に戻ってきてくれたの? 「ただ、友人が倒れただけで戻ってきてくれたんだ。 優しいね、彰弥くんは」 ニコッと笑って言った。 褒めたつもりなのに、彰弥くんは心底驚いたみたいで、大きく目を見開いていた。 「蓮華……今…なんて…?」 「え…?いや、だから…彰弥くんは優しいねって…。 もう、2回も同じこと言わせないでよー。て、照れるから…」 何か彰弥くんを口説いてるみたいになってきた。 恥ずかしい…。 「…違います。その前です…」 「え?ただの友人が倒れただけで……っていうところ?」 私がそう言ったら、彰弥くんは何とも言えない顔をしていた。 でも、何でか辛そうに見える…。 どうかしたのかな…?  
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