*+。再会と頭痛。+*

12/23
前へ
/430ページ
次へ
「……蓮華?」 「なに?」 俺の言葉に首を傾げる彼女は、確かに蓮華で…確かに俺の恋人で……。 でも……。 「俺達の関係って、どのような関係か分かりますか?」 「え?関係? えっと、幼稚園の頃から仲良しで、高校生の時に再会した大切な友達っ!急に変なこと聞いてどうしたの?」 笑いながら、当然のように答える蓮華。 これは、どういう…。 イヤな冗談? それとも、本気で…? 「……………」 さて、どうしようか。 冗談だったら、それはそれでお仕置きをしなければなりませんが……。 「…蓮華」 とりあえず、蓮華の背中に手を回そうと試みた。 久しぶりに会えたんだ…。蓮華に触れたい。 そう思う一心で、蓮華を自分に引き寄せようとした。 後少し…後少しで、蓮華は俺に身体を委ねようと………。 「わわっ!あ、危ないよ!!外国に行ったら、そんなにスキンシップが激しくなっちゃうの!? ここは日本なんだから、ハグなんてしなくていいよっ」 グイッと腕を突っぱねられ、見事に俺は……蓮華に拒絶された。 「…………」 「彰弥くん?大丈夫?」 俺が呆然としていると、蓮華は目の前でパタパタと手を振る。 蓮華が大丈夫じゃなくしてるんですが…。 もしかして、記憶喪失? いや、だとしたら……俺のことは覚えてないはず。 覚えてるということは……、蓮華のただのイタズラ?冗談? あまりにも寂しい思いをさせてしまったから、ちょっとしたイタズラなのだろうか…? でも、イタズラにしては自然すぎる…。 蓮華が簡単に嘘を吐いて、ましてや俺に対してイタズラなど出来るわけがない…。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加