*+。会いたい。+*

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「正真正銘、彼氏の名前だよ。彰弥くんっていうの」 「へ~!イケメン?」 由衣はウキウキしながら問いかけてくる。 「んー、多分世間一般ではそう呼ばれる部類に入ると思う」 「マジ?写メないの?写メ!」 「あったかなぁ。ちょっと待ってね」 ケータイで、彰弥くんが写っている画像を探すか。 …自分の彼を紹介するのは、そんなに嫌じゃない。 彰弥くんが格好いいからっていうのもあるけど…。 「…あ、あった。 これ、高校の時に遊びに行った時に撮った写メなんだけど、彰弥くんはね…この右斜めにいる人だよ」 椿と侑弥くんとハルちゃんと彰弥くんと私で遊びに行った時に撮った写メ。 彰弥くんを指差し、由衣に教えた。 「え…!ちょ、待って!!超イケメンじゃん!あたしの想像を越えてたんだけど!」 私からケータイを奪い取り、まじまじと見る由衣に、私はつい顔がニヤケてしまった。 ちょっと自慢げになってしまう。 「…やっばいね! 合コンにいるメンバーがみんな霞んで見えるわ、これは!しかも、何この写メのメンツ!超美人と超イケメンに囲まれてる超普通女って羨ましいんだけど!」 「…………」 忘れてたけど、由衣は結構ズケズケ言うタイプである。 「…うわぁ、羨ましい!」 「もういいでしょ。早く彰弥くんにメール送って帰りたいんだから」 由衣からケータイを取り返し、私はサッサと彰弥くんに合コンの件をメールで送った。 「その人のアドレス教えて!」 「なんで!?一応私とお付き合いされてる方なんだけど」 由衣がしつこく聞いてくるから、私はケータイを素早くカバンにしまい、返事が来たらメール見せるということで、ようやく解放された。  
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