*+。再会と頭痛。+*

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「あ、有り得ないって…なに?有り得る話だから言ってるのよ?」 椿がわなわなと震えながら、声を震わせている。 「…えー?無いって。彰弥くんには、もっと可愛らしい女の子が似合うよ。…いや、綺麗系かな。系統的に大和撫子みたいな感じ」 私なんて、大和撫子から一番離れてる存在だもん。 彰弥くんが好きになってくれる確率なんて無いし、仮に彰弥くんが私を好きって言ってくれても、私はオーケーしない。 「…可愛い?大和撫子?彰弥くんは、見た目で決める人じゃないわ」 「…それはそうかもしれないけど、やっぱり私って選択は無いよね」 あはは、と笑ってみせると、椿は困ったように眉根を寄せた。 「………あんた、自分に自信無さ過ぎよ」 「ネガティブの塊みたいなもんだからね」 笑って答える私に、椿は溜め息を吐き、ベッドの横にある棚の引き出しから、何かを取り出した。 私の携帯だ。 「この中に、きっと彰弥くんとのメールのやり取りが入ってるはずよ。見てみて」 「…う、うん」 あまりにも真剣に言うものだから、私も真剣に携帯を取り、自分のメールボックスを見た。 ほとんどメールの相手は、葉子や由衣、ハルちゃん、侑弥くんだった。 でも、下を見れば見るほど…微かに彰弥くんの名前が出ている。 ………? いつメールしたかな? あまり記憶に無くて、彰弥くんとのメールの内容を見た。 「…どう?“会いたい”とか“好き”とか、そういう言葉沢山あるでしょ?」 椿の明るい言葉に、私は左右に首を振った。 「ネリケシの存在意義をひたすら語っているメールばかりだよ」 よくよく考えたら、私と彰弥くんは、そんなにネリケシについて熱く語る仲だったのかな?  
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