*+。再会と頭痛。+*

20/23
前へ
/430ページ
次へ
「彰弥くん?なんで彰弥くんが…?」 よく分からない。 誰にも教えていないはずなんだ…。 それなのに……知ってるなんて。 「知らないよー。たださっき僕の携帯にメールが来て、教えてくれたんだっ」 ニコッと笑うハルちゃんに、私もつられて笑い返した。 「…兄弟なのに、俺にメールしないって…」侑弥くんが自分の携帯をまじまじと見ながら、呆れたように言う。 「あはは、彰弥くんも侑弥くんにメール送るの照れくさかったんじゃない?」 女の子の私と椿だったら、メールでも電話でもジャンジャンするけど、男の子同士の兄弟ってなかなかメールしなさそう…。 「…ふ~ん」 フォローしてみたけど、侑弥くんは心底どうでもよさそうだ。 「…ふふ、蓮華の行きつけのパン屋さん教えてくれるって、優しいわよね」葉子が笑いながら、侑弥くんが置いてくれた袋からパンを取り出す。 「…あ!これ!」 葉子が手に持っていたものを見て、目を見開いた。 「なーに?」 「よ、葉子!それ私が好きなやつ!なんで分かったの!?」 葉子が持っているものは、“パンプンキンタルト”という名前そのままのパンプンキン(かぼちゃ)が入ってるタルトだ。 生地がサクサクしてて、すごく美味しいから、私がパン屋さんに行くたびに買っていた。 「えへへ!さて、なーぜだ?」 「…?分かんないよ」 私がそう答えると、葉子がニヤリといやらしい笑みを浮かべる。 「ふふ、愛されてるね蓮華」 「愛され…てる?」  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加