*+。それを頼りに。+*

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「……んー!! 分からないいぃ!!もう!!」 頭をガシッと両手で掴み、ユラユラと揺らした。 「ちょ、蓮華!! 首悪くするわよ!」 椿が私を止めてくれようとするが…。 ダメだ!!止まらん! あー!何忘れてるんだ!自分!思い出せー思い出せー!! ぐおおぉぉ!! 必死に頭を揺さぶるが、やっぱり晴れない。 「はあ…」 諦めてベッドに座ると、椿がホッと息を漏らした。 「急にどうしたの?」 「んー…何か分からないけど…むしゃくしゃするの」 このモヤモヤが晴れたら楽なのに…。 「そういえばお母さんは?」 「お母さんは、会社。椿は、今日大学お休みなのっ」 フフッと笑う椿に、キュンと胸が鳴る。 ああ、こんな人だから…私は勝てないんだよね。 侑弥くんにも振り向いてもらえないんだ…。 「蓮華……?」 私が椿みたいに可愛かったら…、侑弥くんは好きになってくれたのかな。 侑弥くんは、椿に振られてしまったけど…私にはチャンス…まだあるのかな…? ……頑張れば、きっと…振り向いてもらえる…よね。 「椿!私、頑張るよ!応援してね!」 「え?えぇ、頑張って」 椿は頭にクエスチョンマークを浮かべながら頷いている。 私、頑張るよ! 侑弥くんに好きになってもらえるように!  
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