*+。それを頼りに。+*

6/29
前へ
/430ページ
次へ
新たな決意を胸に刻んだ後、椿と色々と高校時代の話をしていると、コンコンとノック音が扉から聞こえた。 「はーい、どなた様ですかー?」 椿が丸椅子から立ち上がり、タッタッと扉に近寄り、開けた。 扉の隙間から見えたのは……。 「あ。あたし、蓮華さんと同じ職場の後輩の田村 由衣と言います。お見舞いに来ました。 あと、後ろにいる彼らは、あたしと蓮華さんの友達です」 え…!由衣だ! 来てくれたんだ! 由衣が指す後ろの人達を見ると、この前の合コンのメンバーだった。 うわぁ…何か椿に私の知り合いが見られるって恥ずかしいことこの上ないなぁ…。 「あらまぁ、蓮華がいつもお世話になってます。どうぞ中に入って下さい」 椿がお母さんみたいなことを言う。 「どうもありがとうございます。失礼します。」由衣は、中に入ると椿に何か紙袋を渡した。 「大した物じゃないんですが、良かったら皆さんで食べて下さい。蓮華の大好きなケーキ買ってきたので」 ナイス由衣!! ちょうど食べたいと思ってたんだよね!! 気が利くじゃないか!!上から言う私は、気が利かないけど。 「うわぁ、ありがとうございます。」椿は嬉しそうに笑い、私の方に振り向いた。 「蓮華、良かったわね。お土産よ。椿は少し外に出るから、中でゆっくりして頂いてね」 「うん、ありがとう椿」 椿にお礼を言うと、椿は紙袋を持って、部屋を出て行った。 おーい、私のケーキイィ!!!  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加