*+。それを頼りに。+*

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「蓮華、大丈夫?会社から聞いたけど、ビックリしたよ」 由衣が私に近寄って、心配そうに聞いてきた。 「大丈夫。来てくれて、ありがとう。みんな会社は?」 由衣の後ろから、沢木さんと前川さんと望月さんがやってきた。 「今日は木本さん以外、みんな予定が無かったから、蓮華のお見舞いに行こうって話になったの。あたしは午後から仕事なんだけどね」 由衣がそう言うと、沢木さんと前川さんがニコッと笑いかけてくれた。 望月さんは、変わらずの無表情ですね。 「マジ驚いたよ。痛そうだね」 沢木さんが私の頭に巻いてる包帯を見ながら言う。 「たまにズキズキ痛くなるけど、今は大丈夫です」 昨日よりは、だいぶ良くなった気がする。 「見た目は痛そうよね。傷が残らないといいね」 前川さんが“可哀相に”という視線を浴びせてくる。 そこまで同情しなくてもいいんだけど。 「…あの後、転んだのか。どんくせぇ…」 望月さん、貴方は人を労る言葉を知らないんですか。 まあ、悪い人じゃないってことは…知ってるけど。 「あ、そーだ!今度は、みんなでカラオケ行こうって話出てるんだけど、蓮華が治ったら行こうね!」 由衣がにっこり笑顔で私に言う。 「いや、私はもうそういう合コンとか、ちょっと…」 「合コンじゃないって!もうみんな知り合ったんだから、みんな友達! ただ遊ぶだけよっ」 …由衣、沢木さんのことがそんなに好きなのか…。 熱烈な視線を沢木さんに浴びせながら、私に言ってくる。  
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