*+。それを頼りに。+*

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「写メ見たけど、ちょーイケメンだったよっ!」 「へぇ、気になるー」 由衣が、前川さんにニヤニヤと笑いながら話す。 「そんなの見せたっけ?」 もしかして、自分でも知らない内に……あまりにも寂しくて…架空の彼氏を作っちゃったとか? 「見せてくれたわよ!蓮華には勿体無いくらいのイケメンだった!」 私が好きな人じゃなくて? 侑弥くんの写メを見せたんじゃないのかな? とりあえず、別の話に変えるのがベストだ。 「最近、由衣は好きな人できたの?」 「えぇ?あたしぃー?」 ワザとっぽく言う由衣。若干、沢木さんを意識して言っているのが気になるが…。 「あたしは~、えっと…どうしよっかな!言っちゃおうかな!」 何故焦らす? 沢木さんは、由衣の気持ちなんか全く知らないみたいで、望月さんと別の話をしている。 …由衣、ドンマイ! なんて、話していると……コンコン…―と再びドアを叩く音が聞こえる。 椿、戻ってきたのかな? 「蓮華ーっ、あたしぃ」 あ、葉子だ! 「はいー、どうぞー」 明るく返事をすると、ガラリと扉が開いた。 「蓮華、昨日ぶり!」と葉子。 「また来たよっ」とハルちゃん。 「さっきそこでお会いしたので、ご一緒させて頂きました」と彰弥くん。 3人がまたお見舞いに来てくれた。 ただ……侑弥くんがいない。  
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