*+。会いたい。+*

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それから、昼、夜、朝、昼、夜……私の気持ちとは裏腹に、時計はご機嫌みたいに針を進めていく。 ついに3日目の朝…― 私は大きく息を吸い込み、ケータイを開いた。 返事が来てますように…―!!! 祈るようにケータイのメール受信ボックスを見たけど、そこには… 「新着メール…0か」 彰弥くんからのメールは無かった。 ということは…― 「合コン決定~! イェーイ~!!」 仕事のお昼休み、由衣が両手を上げ、万歳を繰り返した。 どんだけ人の不幸を喜ぶんだ、彼女は。 「…ははは、合コンね。行きますよ、行ってやりますよ。勝負してこようじゃないか!」 私も私で、もうどうでもよくなってきている。 自然消滅か……仕方ないかもしれない。私、彼女らしいことなんて一切してないのに……いや、それよりも以前別れ際に約束したことを彰弥くんは律儀に守ってくれているのかもしれない。 お互いを忘れよう…!的なことを話したといえば話したけど、せめてあのメールくらいには応答して欲しかったよ…。 いや、あのメール内容だからこそ、応答しなかったのかな…? ……それか、もう他の人に気持ちがいってるとか? 彰弥くんだもん。それは、有り得ない。 有り得ないと思いたいけど、何も確かめられるものがない。 距離が遠くて、連絡もつかないんだったら、何も分からない。 今の彰弥くんが、どんな人になってるかも私には分からない。 何も分からない…。 このまま、私も彰弥くんのことを考えなかったら、私達はお互いの顔も忘れちゃうのかな…―。  
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