*+。それを頼りに。+*

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「それは、言わなくていい」 「え?」 侑弥くんが真っすぐに私を見て言ってきた。 言わなくて、いい? だって、このまま誤解が解けないままなんだよ? 「で、でも、前川さんはずっと誤解したままだよ?」 私が慌てて言うと、侑弥くんは決心を固めたみたいにハッキリと言う。 「いい。言い訳みたいな言葉並べても、信じちゃくれねーよ。 ……それに、前川を傷つけたのは事実だ。 俺たちが傷ついたことを知ったからって…どうにもならねーよ。 傷つけたことに変わりはない」 「…そっか」 侑弥くんの中では、もう誤解を解くのは諦めてるのかな…。 「分かったよ、侑弥くんがそういうなら私何も言わないよ」 侑弥くんがそういうなら、私黙ってるよ。 何も言わないし、前川さんに言い訳がましくも言わない。 ……言わないようにはしたい。 けど、ちょっとくらいなら誤解を解いてもいいよね。 このままじゃ、彰弥くんも侑弥くんも可哀想だ。 きっと、前川さんの倍…2人は傷ついたはずなのだから。  
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