初恋から。

１ 新しい春

俺がそう言うと父さんは分かったと一言言って、それを聞いた母さんが夕食の準備を始める。

母さんの動きを見て敦子が手伝いを始める。

「引っ越してもたまに帰って来なさいよ？」

母さんが俺に話しかける。

「分かってるって。夏休みは帰って来るよ。なぁ敦子」

「え？うん！帰って来ますよ♪」

「そう♪ならいいわ」

「敦子ちゃん！俊が浮気したらすぐおじさんに言うんだぞ！」

父さんは笑いながら敦子に話しかけた。
つか、浮気なんかしないって！

「はい♪わかりました」

いやいやいや
しませんよ？
冗談で言ってるってわかってても少しだけ悲しい。

それから30分して夕食が出来上がり、引っ越し前の最後の家族での食事になった。