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それは昨日のこと───
彼氏である湊 涼一に突然メールで“屋上に来て”と絵文字なしの無愛想なメールがひとつ、放課後に送られてきた。
屋上に行くと、涼一くんともうひとり、女の人が隣に立っていた。
『涼一くん?』
「時間もないし手早く終わらせよ。ごめん、俺はこいつのことが好きやから別れて」
中学2年の時から3年以上も付き合っていたわけでショックが大きい
ホントに大好きで他の人に目を奪われることもなかった。
彼と付き合いだしてからは幸せな毎日を過ごしていた。
それなのにこんなに簡単にもあっさりと別れるなんてイヤ
『イヤ!絶対別れへんから!』
「お前、重いねん。めんどくさいし」
「そこまで言ったら可哀想(笑)確かに重いけどさぁ」
この女の人、見たことない。
この学校の生徒と違う。
涼一くんより年上や。
ありえへん。
涼一くんは年下としか付き合ったことないから、年下好きやと思ってたのに。
『なんで?なんでその人なん?』
「ケータイアプリの“Talk Mail”で出会ったねん。そーや、実咲もやって彼氏つくったらええやん」
「それがええよ。カッコイイ人いっぱいいてるし」
「ちょっと話長引いたな。まぁ、ええわ。はよデート行こ」
「うん♪」
『あ、ちょッ───』
ふたりは風のように私の前から颯爽と消えていった。
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