【Ⅰ】The End of the World

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イヤホンから聞こえてきたのは透き通る声の女性歌手が歌う英語の歌。 おそらく古いアメリカの歌だろう。 「ヒデの趣味だよ。 『カーペンターズ』って昔の洋楽さ。 その歌のタイトルが【THE END OF THE WORLD】。 『世界の終わり』って意味じゃない。 『この世の果てまで』って一途な愛の歌だ。 ヒデらしくないだろ?」 うれしそうにダイキが話す。 たしかにヒデの風貌からは想像できない優しい歌だ。 俺は英語が苦手だからはっきりした意味はわからないが、なんだか落ち着いた気持ちになる。 施設に到着し、ダイキとアサミに礼を言い車を降りた。 空を見上げると星が幾つか光っていた。 現実(リアル)と仮想(バーチャル)。 その境界線とはなんだろう? ただ『生きる』と言う事が苦行に感じる現実。逆に『生きる』と言う実感を味わう事ができる仮想。 今日、俺の中でなにか違う価値観が生まれた。 シーナ cc0142f9-a073-46c5-84ab-c3af27aec435
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