第3話♯血の目

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が現れた。 リンを連れて逃げようとするが、兄は男性に捕まってしまう。 そして、男性達はキッチンから包丁を出し、兄の身体をあちこち刺しまくった。 リン「お兄ちゃん!!」 「逃げろぉ!! リンー!」 目の前で兄の返り血が家具や床、壁に着いて、そしてリンにもかかってしまう。 笑っている男性達は、包丁の動きを止めることなく刺し続けていた。 「お嬢ちゃんも…刺して…いいかい?」 ハァ…ハァ…と、一人の男性が息を切らしながら、手にもっているハサミをリンに近づかせる。 恐怖がリンを襲う。 「やめろぉ!!」 男性を振り切って、兄はリンを血まみれの腕の中に抱き寄せた。 その時リンは、言葉を失っていた。 リンの首や顔にまた兄の血がベッタリと着く。 そして今、自分の目の前で血のついた包丁を、降り下ろし、また笑いながら兄の背中を刺していく。 そして血がリンの片目に入ってしまい、リンは目を瞑ってしまう。 真っ暗な中で男性達の「うひゃひゃ!!」と壊れたような笑い声が、リンの耳に伝わる。 次に目を開けた時のリンの瞳は、真っ赤な瞳になっていた。 そして兄は、すれ違うようにリンからずれ落ちて、その場で倒れてしまった。 男性達はリンを見つめた。
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