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探しに行ったけど…どこにもいなくて…」
「そのまま帰ったの」と、すごく小さい声で言った。
そして女性は泣きはじめ、小さな声で「リン」と、ぶつぶつ呟いていた。
顔を隠して泣いている女性に背中をさする燈。
女性の泣き声を黙って聞いているサーシャとアゲハ。
泣いている女性を見つめるまふゆとジータ。
サーシャは、リンがこの学校にいることを知らせようかと、考えていた。
本当に女性がリンを"助けたい"という気持ちがあれば…。
…と、そこにリンが通る。
ジータが「あ」と呟くと、女性は後ろを向いた。
弁当を食べ終わったのだろう…
教室に向かうリンの姿があった。
いつもリンが着ている私服のまま…。
「り…リン!!」
女性の声に反応したリンは、声のする方へ向かった。
女性はすぐに駆け寄り、リンを強く抱きしめた。
リン「………」
「ごめんね…リン…迎えに行かなくて…ごめんね…」
リン「……痛い……放れて」
「あ…ごめんね リン」
女性はゆっくりリンから離れ、涙を手で拭き、笑顔でリンの顔を見つめる。
ピンク色の瞳だと確認し、女性は安心した。
リン「…お姉ちゃん、リンのことを知っているの…?」
一瞬、女性は自分の耳を疑った。
「…え?」
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