9人が本棚に入れています
本棚に追加
一方燈とジータ。
図書室の扉を開けると、幼稚園か小学校一年生くらいかの少女が泣いていた。
だがその少女はリンに似ていた。
ピンク色の長い髪に、髪と同じ色の瞳。
ジータは燈の前へと進んだ。
燈「待って、ジータちゃん」
燈が止めて、ゆっくりとその少女に近づく。
少女は燈に気づくと、後ずさる。
「来ないで…」
燈「大丈夫。 何もしないよ?」
「嘘っ…嘘だ!!」
燈「本当だよ」
ニコっと燈が笑うと、少女はゆっくり燈に近づく。
ジータは、動かず、少女を見つめていた。
でも少女はジータを見つめ、また怖がる。
「わたしが…何をしたっていうの…?」
ジータ「え?」
「その目…わたしがお姉ちゃんを殺そうとしてる目だよ…違うよ! わたしは殺してないの!」
燈「大丈夫だよ、あのお姉ちゃんは…何も考えてないよ…ね? ジータちゃん」
ジータ「うん」
そう言ってジータは微笑んだ。
でも、少女は燈の腕の中でガタガタと震えている。
燈が「大丈夫」と何度も呟いて少女を安心させるが…
少女は燈から逃げようとする。
信用していないのだろう…。
少女はまた泣きはじめた。
燈が少女の頭を優しく撫でるが、少女は泣き止まない。
「……怖いよっ……放してよっ……」
最初のコメントを投稿しよう!