こども

『今朝のトップニュース！関東圏内広域で起きていました子供を狙った連続殺人事件の犯人が逮捕されました！もう一度お伝え致します！関東圏内広域で起きて――…

寝起きにつけたテレビから聞こえるニュースに眠気が一瞬で吹き飛んだ！

「おい！恭子！テレビ！テレビ！早く！早く！」

「もぅ、何よー！朝は忙し……え！犯人捕まったの!?」

「ああ！そうみたいだよ！良かったよなー」

「はぁ……」

バサリ

恭子の吐息と洗濯物が落ちる音で振り返ると、ふらつき今にも倒れそうだった。

「おい！どうした!?大丈夫か!?」

慌てて恭子の体を支えて顔色を見た。その表情は安堵に満ちてうっすらと瞳に涙が溜まっていた。

「良かった……本当に良かった。隆司の身に何かあったらって、本当に怖かったの……」

恭子の言葉に胸が熱くなった。ここまで息子のことを想い、心配していたなんて……

やっぱり母親には敵わないな。

「そうだな、これで安心して外で遊んでも良くなったな！お、隆司！おはよう！」

噂をすれば息子の隆司がリビングにやって来た。難しい顔でテレビのニュースを見た後、ぼそりと呟いた。

「……やっと捕まったんだね」

「ああ！母さんも倒れそうになるくらい心配していたんだからな」

「もう！あなた！恥ずかしいでしょ！」

恭子は照れたように笑い、心底嬉しそうだ。

連続殺人犯は小学生の高学年を中心に狙った犯行で、塾帰りの子供達の多くが犠牲になった。

隆史の通う塾の生徒も犠牲に会っていて、送り迎えを毎日していた。

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