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「眠い…」
少女はいまだ微睡みの中、それを降りきる様に窓を開けた。
「さて、と…」
朝の日差しを浴びて、完全に覚醒した少女は、寝間着をベッドの上に脱ぎ捨て普段着に着替える。
そして、寝間着を旅行鞄に詰め、部屋を出た。
「おはようさん」
店の主人だろうか、中年の男性が、厨房で調理を行いながら、少女に挨拶をする。
「おはよう。ああ、良い匂いだぁ…白いご飯と味噌汁なんて何時以来だろ」
米の仄かな甘い匂いと溶かれた味噌の芳しい匂いが、少女の食欲を一層掻き立てる。
「はは…お客さん、そう言って頂けると嬉しいねぇ。納豆か卵付けるけどどっちが良い?」
「勿論両方!!」
少女は目を輝かせて叫ぶ!!
「OK、あいよ!!」
白いご飯が炊き上がると同時に藁をひとつまみ。
その後、味噌汁と一緒に椀に盛る。
そして卵と醤油で溶かれた納豆が出された。
「頂きます!!」
暫くして少女は食べ終わり、カウンターに片付けに向かった。
「ご馳走様。やっぱり朝に白いご飯と味噌汁は最高」
「そりゃ作った甲斐があるってもんさ」
「じゃ、行ってきます」
びしっと敬礼をする。
「もう行くのかい?」
主人らしき男性は少女に尋ねた。
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