第1話『思いのままに』

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「眠い…」 少女はいまだ微睡みの中、それを降りきる様に窓を開けた。 「さて、と…」 朝の日差しを浴びて、完全に覚醒した少女は、寝間着をベッドの上に脱ぎ捨て普段着に着替える。 そして、寝間着を旅行鞄に詰め、部屋を出た。 「おはようさん」 店の主人だろうか、中年の男性が、厨房で調理を行いながら、少女に挨拶をする。 「おはよう。ああ、良い匂いだぁ…白いご飯と味噌汁なんて何時以来だろ」 米の仄かな甘い匂いと溶かれた味噌の芳しい匂いが、少女の食欲を一層掻き立てる。 「はは…お客さん、そう言って頂けると嬉しいねぇ。納豆か卵付けるけどどっちが良い?」 「勿論両方!!」 少女は目を輝かせて叫ぶ!! 「OK、あいよ!!」 白いご飯が炊き上がると同時に藁をひとつまみ。 その後、味噌汁と一緒に椀に盛る。 そして卵と醤油で溶かれた納豆が出された。 「頂きます!!」 暫くして少女は食べ終わり、カウンターに片付けに向かった。 「ご馳走様。やっぱり朝に白いご飯と味噌汁は最高」 「そりゃ作った甲斐があるってもんさ」 「じゃ、行ってきます」 びしっと敬礼をする。 「もう行くのかい?」 主人らしき男性は少女に尋ねた。
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