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春が来て、僕は十五歳になって、なったとたんに左の肺がパンクしてしまった。
東京を離れて夜見山市にやってきて、母方の祖父母の家に厄介になりはじめて三日め。
あしたからはこの街の中学校に、ちょっとタイミング遅れの転校生として登校しなければならない――という、よりによってそんな夜の出来事だった。
一九九八年の四月二十日。
心機一転、新しい学校への初登校日になるはずだったこの月曜日は、ぼくの人生における二度めの入院初日となった。
一度めの経験は半年前。原因はそのときも、同じ左の肺のパンクだった。
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