prologue

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えー。 まだ一学期で、ミサキが十五歳の誕生日を迎えてまもないころ、だったらしい。 何で……事故? 病気? 航空機事故、って聞いた。家族で北海道へ行って、その帰りに飛行機が墜落して。 ほかにも仮説あるみたいだけど。 ……… 突然そんな悲報を聞いて、同級生たちはみんな、ものすごいショックを受けた。 そりぁそうよね。 信じられない! と、みんな口々に叫んだ。そんなの嘘だ! と喚きだすやつもいた。 泣き崩れる子もたくさんいた。担任の先生もかける言葉を失って、教室中が異様な雰囲気になって……そんな中でふと、誰かが云いだしたんだ。 "ミサキは死んでなんかいない、今もほら、ここにいるじゃないか、"って。 ………… ミサキが使っていた机を指さして、"ほらミサキはそこにいる、ちゃんといる、ミサキは生きてそこにいるよ、"って。 その言葉に賛同する生徒が次々に現れた。"ほんとだ、ミサキは死んだんじゃない、生きている、今もそこにいる……。" ……それって。
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