prologue

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人気者の突然の死を、誰もが信じたくなかった、認めたくなかったってわけ――なんだろうけど、それはそのときじゃあ終わらなかった。"クラスではせの後もずっと、それが続けられることになったんだ。" どう言う意味? クラスの全員がその後も一貫して"「ミサキは生きている」というふりをしつづける"ことにしたのさ。先生も全面的に協力したっていう。 "そうだ、みんなの云うとおりミサキは死んではない。少なくともこの教室では、クラスの一員として今もちゃんと生きている。これからもみんな一緒に頑張って、みんな一緒に卒業しようじゃないか。"……ってね、まぁこんな感じだったんだろう。 いい話にも聞こえるけど、んー、ちょっと不気味かも。 そんなふうにして結局、三年三組のみんなはその後の中学校生活を送ったわけ。 ミサキの机も以前のまま残しておいて、おりに触れ、そこにいるミサキに話かけたり、一緒に遊んだり一緒に下校したり……"もちろん全部ふりなんだけどね。"卒業式のときには、校長の計らいでミサキの席が用意されてたりもして……。 ふぅん。やっぱりいい話、かなぁ。 あぁ。基本的には、これってある種の美談なんだよな。 ところが、最後におっかないオチがつく。
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