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次に来たのは庶務の野々菜 林檎(ののな りんご)二年生。
赤茶の肩までの髪と短めの前髪、長いまつ毛が特徴である。
彼女は寡黙な人間であまり無闇に話さない。
「ただいま、戻りました」
「おー林檎ちゃん。いらっしゃーい、お務めごくろーさん」
富士丸のお出迎えに軽く会釈して彼女も指定の席に座る。
「…ふぅ」
そしてため息。
「どうした林檎。悩み事か?」
ダリアが足を組みながら林檎に問う。
それにさらにため息をついて
「そうですね、仕事が多いのが、悩みです」
と言った。
「ふむ、それは大変であるなぁ」
ダリアはそれをまるで他人事のようにスルーした。
林檎のため息に加え、富士丸もため息をつく。
この中でダリアに押し付けられた仕事に苦しめられていないのはボタンだけだった。
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