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「いったいどこに向かうのですか?」
眠たげ少女問いかけた
その問いに女はただ笑った
「とても素敵な所よ」とただ笑う
進む、進む。彼らは進む。
暗い森の奥深く
進む、進む。『ほのぼの家族』
仲良く楽しげ 笑いながら
「しばらくここで待ってなさい」
男はポツリと呟いた
その問いに子供は答えず
ただ黙って手を放した。
「すぐにもどってくるからね。」
笑顔の母親呟いた
その言葉に少女は問いかけた
「どうして母さん泣いてるの?」と問いかけた
戻る、戻る。彼らは戻る
明るい光指す方へ
戻る、戻る。『おしどり夫婦』
彼らの宝をおいたまま
流れた月日は何十年
忘れてからもう幾年か
街に流れる不穏な噂
暗い森には子鬼が出ると
噂によるとその子鬼
人のところにやって来て
ひたすら同じ言の葉紡ぐ
『どうしてどうしてどうして・・・?』
これが、この街に伝わる童話
『暗い森の子鬼』
主役の子鬼は、何時もいつでも
泣いている。
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