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『…そう、生ラーメン札幌の友達が送ってくれたんですよね。
1人じゃ何食も食べきれないから
人が来たときに食べようと思ってたんです。』
「へぇ。塩か。
良いじゃん、俺ラーメン
塩派じゃけぇ。」
『ですよね!私も塩が1番
さっぱりして好きなんです。
飲んだ後には
持ってこいですよね。』
そんな話をしながら生ラーメンを
冷蔵庫から取り出し封を切る。
シンさんは雑誌が飽きたのか、
部屋の隅に立てかけてある
私のフェンダーのアコギを
勝手に弾き始める。
時間が時間だから少し控えめに。
♪~
誰の歌か分からない鼻歌だから、
おそらく即興演奏。
小音ながらも心地良いメロディー
が私の耳元までたどり着く。
いや、この耳がその声を
無意識のうちに探し出す。
たぶんCM7から始まるバラード系。
彼の唄いだすメロディーラインは
私の中に無い部品が
取り揃えられていて、
何故だか心揺すられる
気持ちになる。
同じコードを弾いても、
自分なら違うメロディーと
違う歌詞が思い浮かぶ。
この日の、この時間、
この場所に産まれた音楽も
そうだった。
職業柄か、
人の導きだしたコード進行なのに
メロディーと歌詞を付けたくて
たまらなかった。
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