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私とシンさんは、年齢も10歳近く違うし、性別も違うけど、
話が途切れない。
まあ、アルコールが入っている
という事も少しあるけれど。
一番は唄が好きで
音楽が好きだから。
そこに尽きるのかも。
プライベートな話も結局最後は
音楽の話になり、いつの間にか
仕事と関連していく。
そこから色んな発想が生まれて、
新しい企画が飛び出す事も
結構あったりする。
「毎度思うけど、
このギターでかくね?
俺で結構ハマるサイズだから
お前にはデカイだろ?」
『まあ、デカイけど、
慣れですよね。
買う時、音色と感触と、
ほぼ直感で選んだから
サイズとか気にしてなくて。』
「へぇ。」
『でも、
路上で唄うようになったから、
そのくらいの方が音量も出て、
私にはピッタリでした。』
「懐かしいな。
ストリートの頃とか。
…あん時のお前は
ある意味衝撃だったわ!」
笑いながら、小バカにしたように
シンさんは言った。
私と初めて逢った日の話は
何度か聞かされている。
…ギターが下手すぎて吃驚だったって。
皮肉って、衝撃なんて言ってくれちゃってる。
過去の自分は思い出したくなくて
少し苦笑いで話題を反らした。『もうその話は
結構ですから!
ラーメン出来ましたよ!!
伸びちゃうんで
早く食べましょう。』
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