廃屋の博士

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黒のタキシードに身を包み、帽子を深めに被った青年は月を背に少女の前に降りたった 少女は震えながら、頬に涙を流し、声にならない声を青年に向けて発した 青年は小さく微笑むと少女の頬に流れた涙を指で拭いとった 「安心して、僕は夢喰いのバク 君を怖がらせる嫌な夢を食べに来たんだ」 少女はまだ少しだけ怯えているようだったがいくばくかは気持ちが落ち着いたようだ 青年は次は深く笑うと、少女の瞳からビー玉にように光り輝く何かを取り出し口に含み、噛み砕いた
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