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「美依ー、どうしたの?」
休み時間、目の前に現れた、可愛らしい女の子。
「……桃華ぁ」
彼女は私の親友だ。
「うわ、なんか涙目なんだけどっ!?」
柔らかな声につい潤んだ私の目に、桃華はあわあわとした表情を浮かべている。
「ご、ごめん」
目元をこすって涙を拭くと、さっきまでのケンカについて、説明。
廊下の窓の方で女の子と盛り上がる柏木君がちらりと見えて、余計に切なかった。
「うわぁ…ケンカしたの……?」
「だ、だって『美依はナイ』って……」
しょんぼりと垂れた眉に、桃華は呆れたような顔。
「もう、柏木君も柏木君だけど、美依も『圏外』とか言っちゃ駄目でしょ?
それじゃ子供のケンカと一緒だよ」
うっ、と図星を衝かれてたじろいだ。
「男の子ってデリカシーないし可愛くないこと言うし、傷付くかもしんないけど、そこも引っくるめて柏木君なんだから」
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