共闘、命の先に

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「いただきます……」  肘をついてよろよろと病人のように上半身だけ起こすと、アーヴの差し出した水を一息に飲み干した。 「……もう一杯、いる?」 「はい。ぜひ……」  もう一杯水を一気に飲むと、息継ぎをしないまま飲んだためかハァハァと息を上げる。どうやら、この一週間でさらに体力が落ちたようだ。  コップをアーヴに返すと、力尽きたようにふかふかの枕へ頭をダイブさせる。エイダの体重でベッドがぎしぎしと悲鳴を上げた。 「……一週間ですか」 「一週間だね」 「ジークさんは……」 「なんか、また森に出かけて行ったけど」 「何か……変わったことは」 「ないね。平和そのものさ」  掛け合い漫才のようにぽんぽんと言葉を交わす二人。エイダは聞きたいことがなくなったのか、額に腕を置いてぼんやりと白い天井を見上げる。 「……僕は……」  胃が水を吸収するのが分かるくらい乾いていた身体が少し潤い、頭が思考をし始める。  一週間。短いようで、長い時間。  エイダには様々なことが脳裏によぎったが――そのどれもが不吉で、不幸で、考えたくないことばかりで。額においていた腕で、そのまま両目を覆った。 「……ねえ」  その心情が痛いほど分かるから、アーヴは聞きにくそうに声をかけた。  だが、聞かねばなるまい。これはアーヴにとっても必要なことなのだから。 「君……これから、フィオをどうするんだい」 「助けます」  間髪入れずきっぱりと言い放たれた言葉は、強い覚悟の意思を感じさせた。 「助けます。必ず」  まるで自分への誓いのように、同じ言葉を繰り返すエイダ。
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