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起床時間、午前11時。
朝食なし、昼食少量、夕食少量。
運動しない、勉強もしない、笑わない、泣かない、怒らない、何もしない。
体重は平均より遥かに下になった。自分で分かるくらいに、細く自分の骨が頼りない。
僕…蒼井 朔(あおい さく)は、いわゆる不登校であった。
学校に通っていれば、中学1年生の時のことである。
とあることがきっかけで、学校へ通う気力もなくなった。いいや、全てがなくなったというのが正しいのかもしれない。しかし、なぜかその記憶が僕にはない。気付くとすでに、気力はなくなっていた。
"心の病"にかかっている訳ではない、と思っている。少なくとも自分では。
平日も休日も、主にベッドの上で過ごす。趣味はない。
延々と天井を見つめ、なんてことないものに敏感に反応し、恐怖から逃げるように丸まり眠る。起きれば頭ががんがんしていて、家族に見つからないように音を立てず冷蔵庫の扉を開けて、冷えた水を飲む。
カラカラと渇いていた喉が潤う、その直後、食道に冷たい感覚がじんわりと伝わってくる。
心地の良いような、悪いような。
そうして、また自分の部屋に戻る。
自分の部屋に置いてあるのは、かつて趣味というものがあったときのもの、机、地球儀、イス、クローゼット、カーテン、その他もろもろと、ベッド。
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