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「お前が、まだ契約更改を済ませてないことは知ってた」
戸惑いの表情を隠せない憂木に、冴島は言葉を続ける。
「会社に迷惑はかからんだろ。俺がこのタイミングでここに来たのは、そういう理由さ」
憂木はハッと気づいた。
「もしかして、冴島さんがWWWへ移籍したのも……」
「そうだ」
冴島はニヤリとした。
「世間じゃアッチはショーだ、アメリカンプロレスだなんて言う評価が多いがな。まあ実力のねえトップクラスが居るのも事実だが……でもよ、道場のレベルはハンパじゃねえぞ。
大体よ、毎回あれだけ多くの外人レスラー使ってんだ。アイツらを束ねるにゃ、カネ以外の力も要求されるってもんだ。つまり、コッチな」
そう言って、冴島は右腕に太い力瘤を作って見せた。
「ポリスマン、ですか」
「そうだ。ガチでアイツらを抑えつける事の出来る実力者……国原さんとも渡り合えるレベルの2人を、今回引っ張った。名前はまだ明かせないがな」
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