小人が見上げる空

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 タイラン氏が去った後、改めてふと考える。  革命のこと。それに使われる電波のことだ。  革命の思想や案自体は随分前から、それこそスレットが生まれる前からあったのではないか。しかし革命をするのに辺り数々の大きな障害が当たり前の様にあり、その解決策が掴めずに時間は流れていた。  だが遂に見つかったのだ。  解決策、それも《電波》というニーズから離れた技術によって。  正確には電波によって問題が解決するのではなく、電波によって今まで危険視されてきた問題を無視する全く新しい方法での革命が出来るのだ。  なぜ電波を使って革命をしようと思い至ったのかはスレットに知る余地もないが、革命の話が自分に舞い込んできた時に思わず飛び跳ねたくなる様な気持ちに襲われた、とスレットは思い出す。  電波を用いてどの様な革命をもたらすのか。  簡単に言ってしまうと『巨人を眠らせる』のだ。  スレットは電波の中でも人体に影響を及ぼす電波についての開発をメインとしていた。
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