小人が見上げる空

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 その『巨人を眠らせる電波』が出来るか、という話が革命の中心組織――仮に《委員会》とする――からスレットに来たのは必然であったと言える。  聞かれた時スレットは「やってみなければ分からない」と《委員会》に答えたものの、胸の内では「必ずやってみせる」という熱い決意があった。  そして失敗や成功を繰り返し、なんとたったの〝半年〟で理論を作り上げた。またそこから一月足らずで実用化が可能な事も証明した。これはスレットが『進んでいる技術』を持つ者であり、更に技術を昇華させる才能を持つ優秀な人材であるが故であった。  そこからはまた目まぐるしく時間が流れ、忙しい日々が続いた。委員会と何度も相談し、一番効率良く《電波》を用いて革命を成功させるにはどうしたら良いかを話し合った。  伊達に長い間、革命について委員会も考えきた訳ではないようで、これまたかなりの短期間で話が纏まった。  そして今に至る。  革命決行は明日の朝。  その時――二つ人類の関係は終わりを迎え、新たな世界が再構成される。
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