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「残念ながら、昨夜、教頭先生はここの学園の生徒に暴行を受けました。そして、重傷です。」
程までうつろだった生徒の瞳に、一瞬で光が灯った。なかには笑いをこらえきれず、吹き出しているものもいる。
教頭のことで、よく問題にはなってはいたが、(教頭に石を投げたなど)重傷となれば少しわけがちがう。
「教頭先生に暴力を振るった者は名乗りでなさい。」
学園長は恐ろしく清々しい表情だ。
生徒たちはもうわらいの限界を切っていた。
誰かが大声で笑った事が引き金となり、生徒は腹を抱えて笑い出す。教師も数名、笑っていた。
教頭は怒りに震えている。
「静粛に!!」
と、学園長がキレのある声で言った。
先程まで、笑いの渦だった体育館は、一瞬にして静まり返った。
「さてと…」
学園長は少し哀愁を漂わせてから、
「実は私はもう犯人は誰かめどがたっています。」
と一言。
体育館がざわつく。
学園長がこの時浮かんだ名前は神楽翔しかいなかった。それ以外こんな悪さはしないだろう、と学園長は考えていたのだ。
その時―――――
「はい!俺です!!」
舞台袖から元気な声が聞こえた。
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