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流石に警察沙汰は避けたいのか、
青年は女性の言葉に従いレジの前に立つ。
女性
「お支払いは120円になります」
大河
「ツケで」
女性
「無理です」
大河
「いいじゃねぇか、120円ぐらい」
女性
「家だって経営キツいんですよ…ましてや珈琲一杯しか頼んでないのに12時間も居させてあげたんですから、ちゃんと払ってください」
大河は観念したのか、財布を出して、小銭を三枚と紙切れ一枚を渡す。
女性は渡された紙切れを不思議そうに見た後、大河に尋ねる。
大河
「名刺だよ、名刺」
女性
「だから何で名刺なんですか」
大河
「まぁ、困ったことがあったら何でも相談しろってこった…」
女性は少し間を置いた後に話を再開する。
女性
「今、迷惑なお客さんがいるんですけど…」
大河
「ソイツは幸運をこの店にもたらすぜ!無下に扱うなよ!」
女性は深くため息をついて、青年から受け取った小銭をレジに入れようとする。
しかし…
とある違和感に気が付く。
百円だと思っていた硬貨は真ん中に穴が開いていた…
そう、五十円玉だったのだ…
女性
「お客さん!こ…れ…」
気がついた頃には大河は目の前にはいなかった…
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