俺vs借金

11/33
前へ
/654ページ
次へ
流石に警察沙汰は避けたいのか、 青年は女性の言葉に従いレジの前に立つ。 女性 「お支払いは120円になります」 大河 「ツケで」 女性 「無理です」 大河 「いいじゃねぇか、120円ぐらい」 女性 「家だって経営キツいんですよ…ましてや珈琲一杯しか頼んでないのに12時間も居させてあげたんですから、ちゃんと払ってください」 大河は観念したのか、財布を出して、小銭を三枚と紙切れ一枚を渡す。 女性は渡された紙切れを不思議そうに見た後、大河に尋ねる。 大河 「名刺だよ、名刺」 女性 「だから何で名刺なんですか」 大河 「まぁ、困ったことがあったら何でも相談しろってこった…」 女性は少し間を置いた後に話を再開する。 女性 「今、迷惑なお客さんがいるんですけど…」 大河 「ソイツは幸運をこの店にもたらすぜ!無下に扱うなよ!」 女性は深くため息をついて、青年から受け取った小銭をレジに入れようとする。 しかし… とある違和感に気が付く。 百円だと思っていた硬貨は真ん中に穴が開いていた… そう、五十円玉だったのだ… 女性 「お客さん!こ…れ…」 気がついた頃には大河は目の前にはいなかった…
/654ページ

最初のコメントを投稿しよう!

819人が本棚に入れています
本棚に追加