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西岡
「ズバリ虎ちゃんの目当てはあの嬢ちゃんだな!」
大河
「………は?」
青年は呆気にとられた顔をした。
西岡
「隠さなくてもいいんだぞ、いやぁ~、若いっていいねぇ~」
正直そんなつもりは欠片もなかった、
エアコンがついていて、客の出入りが少ない店を選んでいたら、たまたまあの店になっただけだ。
そんなことをいちいち説明するのも面倒だったようで、黙っておく。
クダラナイ話も終わり、夕焼け空が広がる時間帯になる。
今日の大河の夕食はパンのみみ…
パン屋から二十円で買っているパンのみみ…
それが大河のいつもの食事だ…
大河
(久々に肉が食いてぇ…)
そんなことを考えながらパサパサしたパンのみみをくわえる、
最低限砂糖が欲しい気分になってくる…
西岡
「虎ちゃん」
そんな不機嫌そうな大河に声をかけてきたのは、昼間の男性。
めんどくさそうに大河は返事をする。
西岡
「いや、なんか虎ちゃん探してるって女がここに来てな…」
大河
「女だぁ?」
考えてみても思い当たる人物は三人ぐらいしかいない…
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