ふたり

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俺には… 父親の違う 妹がいる 妹は いつも笑顔で 学校でもバイト先でも人気で 泣いたところなんて… 見たことないってほど少なくて 泣くより笑う事がかなり多かった 妹に会ったのは… 16年前の14歳の時 ―16年前 『隼人、今日からあなたに妹が出来るのよ?』 まだ3歳だった妹は 短いみつあみをして、チューリップ柄のワンピースを着て 『澪って言うの。仲良くしてあげてね』 アニメのキャラクターのリュックを背負った小さな天使 『よろしく!お兄ちゃん!!』 そう言って、歯を見せて笑う小さな天使は 俺の手を その小さな手で 握った 「お兄ちゃんっ!!」 「ん…?うん…」 「もう時間だよっ!起きて!!」 「え…っ今何時?」 「6時だよ!」 「澪…今日仕事じゃないよ?」 「違うよ!今日おばあちゃんのところ行くんでしょ!?」 「…やっべ…っ!」 慌てると、頭をぶつけて ぶつけた部分を抱える そんな俺に妹は 無邪気に笑う
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