ふたり

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「澪早く!」 「ちょっと待ってよお兄ちゃ…きゃっ!!!」 玄関に走っていった澪は 派手に転んだ 「いったぁー…あははやっちゃった!」 「おい大丈夫かよ…膝赤くなってんじゃん」 赤くなった膝を撫でる 「大丈夫大丈夫!ほら、行こ!!」 立ち上がって、俺の腕を引いて ドアを開ける 「おばあちゃん!」 「澪、隼人、よく来てくれたわね~」 「ばあちゃん、この前ぎっくり腰になったって聞いたけど大丈夫?」 「大丈夫だよ。隼人、私の事より仕事の事を考えなさい?」 「でもばあちゃんが心配だよ… やっぱり俺達と暮らした方が…」 「じいさんが残したこの家を置いてく訳にはいかないよ」 「おばあちゃん、なんかあったらすぐ言ってね? 私が駆けつけるからさっ!」 「ありがとう澪、でも澪?あなたも自分の花屋を開くのが夢なんだから、 ちゃんとバイト頑張りなさいよ?」 「わかってるよ」 「アンタたちがこんな大人になって… 可南子と祐司もきっと喜んでるわよ」 「…そうだね」 可南子と祐司というのは… 俺のお袋と親父 澪のお袋 …澪の親父は、お袋が澪を産んですぐに事故で死んだ 親父はお袋と離婚して行方不明に。お袋は澪が家に来て6年後に事故で亡くなった …そう、 家には俺と澪二人暮らし 「ところで隼人」 「ん?何?」 「アンタもう30でしょ?結婚はしないの?」 「いや…いいよ結婚は… そういう人いないし」 「えーもったいない…」
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