ふたり

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「…わかっています」 「この事は、澪ちゃんには絶対に言っちゃダメだよ 言ったら、あの時みたいに精神状態を崩してしまうかもしれないから」 「………はい」 「本当は今から入院して欲しいんだが… 僕たちには何も出来ない…」 「…俺も、 入院して少しでも長く生きて欲しいけど… 無理なんすよね…」 「…悪かった… 何も出来ないままで…」 「いえ…じゃあ…俺行きますね」 ドアを開けると、 澪が待ち遠しそうな顔をしていた 「お見合いの人…どんな人だった!?」 目を輝かせながら俺の目を見る澪の瞳は、透き通っていた 「いや…全然タイプじゃなかった」 「えー!!見たかったなぁー…先生のバカ!早く帰ろ!!」 無理矢理手を繋いで、病院を出た 「今日いい天気だねー。お弁当持ってどっか行きたいなぁー」 空を見上げて言う澪は、 これから自分の身になにが起きるかわからないみたいに 無邪気だった 「あっ!!花!見てお兄ちゃん!!!」 澪は花壇に咲いたパンジーに近付く 「可愛い~…」 パンジーを人差し指でつつく澪は、 通りすぎる男が振り返るほど美しかった …澪は、 昔から花が好きだった 小さい頃に、よくお袋と3人で花畑行ったっけ…? 『見てお兄ちゃん!お母さんがやってくれたの!』 そう言って、 お袋が作った三つ葉の髪飾りをつけてはしゃいでたな… 澪は、パンジーを携帯の写メで 3回撮った
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